ミニログはこう作る。



ミニログは数多く建ててきたので、まかせてください。

大きなログハウスをセルフビルドすることはなかなか勇気がいることですが、ミニログ程度のサイズなら、家族みんなで協力すれば夏休みや、GW中に建てることは可能です。もちろん、未経験の方でも!
というわけで、今回はミニログづくりの流れをご紹介します。
たまにミニログは、犬小屋レベルのスピードで仕上がると思っている人がいますが経験者でもそれは無理。あせらず、時間に余裕を持って取り組んでください。
一口にミニログといっても、素材、サイズ、デザイン、価格などいろいろありますから、スペース、予算、使用目的に合ったものを選びましょう。
基本部分の手抜き工事厳禁、あとはカラーリングやインテリアなど思う存分ご自由に!
このページが、これから建てようと思っている人たちの参考になれば…と願っています。













































基礎

基礎はミニログのキットが搬入される前に完成させておくとベター。
今回の基礎は沓石を配置するタイプで
湿気、雨のはね返り対策として建物の下と廻りに砕石を敷いています。
このミニログは10平米以下の建物なので、これで問題はないのですが
10平米を超えるミニログになると、布基礎にしなければなりません。
その場合はあらかじめ確認する必要があります。



























搬入

一般的に4tユニック車(クレーン付トラック)で搬入されます。
ここで注意しなければならないのは、現地まで4tユニック車が入ってこられるか、ということ。
道路が細かったり、スペースがない場合は、あらかじめ近所の空きスペースを見つけておく必要があります。
そこで小さいトラックに積み替えて搬入を行います。

















































ログ組み

ログ組みの一番のポイントは一段目です。
確認事項は(1)基礎のレベル(高さ)確認(2)縦横の寸法(3)縦横の寸法に対しての対角が同寸法であるかの3点です。
これらを確認して、いざログ組みの開始!と、その前にもう一仕事。
一段目のログ下端に防蟻剤、または外部塗料をしっかり塗っておきましょう。
あとは図面の番号順に組んでいくだけです。最もログビルダーっぽい作業、頑張ってください。
ログ組み完成後、四隅に通しボルトを入れてナットで締めます。上部ナット部分は野地板に当たるので、座掘りしてナットを入れます。
すべての工事が完了した時点で、ログがセトリングで沈んで緩んだナットを再度締め直しましょう。
















































屋根下地&破風・鼻隠しの取り付け

ログ組みが完了したら、一日でも早く雨じまいをしましょう。
はじめに野地板を張っていきます。
一枚一枚野地板を張っていくのですが、、無垢板なのでどうしても板の寸法に若干の狂いが生じています。
そのままだと最後で、いびつな野地板を割いて入れることになってしまうので目安として1m張るごとに、張った板の端々の寸法を全て確認し次に張る板を調整しながら、張っていくと良いと思います。
次に破風、鼻隠しですが、写真のように、重ねて貼っていきます。
通常、3〜5mの一枚板を張っていくので、ひとりだと大変です。
二人で作業するとスムーズに進むと思います。
やむを得ず、ひとりで行う場合はクランプ(万力)を利用しながら取り付けることも可能です。


















見た目はほぼ完成ですが、ここからが肝心。
手抜き厳禁です。






















































屋根仕上げ材貼り


野地板、破風、鼻隠しが貼り終えたら、軒先を揃えるために丸ノコでカット。
その後写真のようにルーフィングを10cm重ねながら、軒先から貼っていきます。
それから屋根仕上げ材貼りです。
今回はキットに同梱されていたアスファルトシングルを貼りました。
ポイントは、まず屋根の全長(軒先側)の中心を割り出し、
そこから振り分けて釘とシールで貼りはじめます。
破風側は半端なシングル材を使うので、カッターでカットして釘で貼っていきます。
そして釘の部分を重ねながら貼り上げていきます。
最後の部分は釘の頭が出てしまうので、写真のようにコーキングで処理すると良いでしょう。




























床張り

屋根が完了したら、次は床を貼ります。
床張りの最大のポイントは、レベル(水平)を出すことです。
基礎天端から寸法を割り出し、墨出ししてください。
そして大引きを仮置きした後、根太受け材をログに打ってから、そこに根太を載せていき、図面通りの間隔で留めていきます。
その後大引きと根太を留めていくのですが、大引きもレベルを出さなければならないので大引き部分の根太から仮に10cm上げたところに水糸を張った状態で流して、それを基準に高さを調整し、それと同様に根太のピッチを確認しながら大引きと根太を留めていきます。
その後、根太と大引きに防蟻剤を塗ります。
そして隙間風と湿気対策としてシートを貼っていきます。
ここからがいよいよ床張り本番です。
野地板張りでも書きましたが、無垢材なので一定間隔で寸法を確認しながら、張り上げていくことが大切です。




























デッキの床板張り

デッキの床は雨を考慮して、板と板の間は間隔を空けて張ります。
間隔としては5〜6cm程度がベターですが、予め床板を並べて寸法を計算してから作業すれば、半端に板をカットせずに済みます。
使用する釘は、錆びないようにステンレスの釘を選び、長さは床板の厚さの3倍の長さを目安にしてください。

















































建具の取り付け

建具を取り付ける前にまず写真のように、ログの小口部分に防水テープを貼ります。
これはログの溝部分からの水の侵入を防ぐためです。
さらに防水性を高めるために溝とテープの隙間からコーキングを注入すると良いでしょう。
そしていよいよ建具の据え付けです。
<最初に建具を置くログの天端が水平になっているかを、水平器で確認します。
水平になっていることを確認したら、建具を置きます。
ログの開口は建具の外枠寸法により、約5〜6cm大きく開いているので、ビスを留めるところにはその隙間を埋めるために木でパッキン材を作りそこに差し込んでから、ビス留めします。(窓は片側2カ所ずつ、ドアは片側4カ所ずつ)
今回は50m厚のログ材だったので、直接ログに建具を留めましたが、ログ厚が大きくなるとセトリング対策として、ログの小口に板を張ってそこに建具を張ることになります。
建具を固定したら、その周りに防水テープを貼ります。そして図面で指定された板を使い、四方に張っていきます。
その板を留める場所についてですが、ログ材はセトリングで動くため、建具に留めるようにしてください。
これで建具は完成です。
余談ですが、ログと建具の隙間に、室内側の板を張る前に断熱材を入れておくと断熱効果は一層高まります。




























巾木・廻り縁

ログ壁と床の隙間、野地板とログ壁の隙間にそれぞれ隙間風対策として、防水テープやコーキング処理した後、板を張っていきます。
使用する釘は目立たないように、隠し釘(釘頭が取れる釘)を使うときれいに仕上がります。




























これで木工事は完成です。




























外部塗装

使用するのは一般的にオイルステイン系の塗料。
塗り方としては、塗料を付けすぎないようにして、木目に沿って上から下へ塗っていき、
塗料が垂れた時にはウエスなどですぐ拭き取りましょう。
また、塗り始めたら途中で止めず、一面塗りきることが大切です。
途中で止めてしまうと、継ぎ目が目立ちきれいに仕上がりません。
1回塗り終え、完全に乾いたら、紫外線からより一層ログを守るために2回3回と塗り重ねます。
尚、デッキ床に使用している緑がかった板は、防腐剤を加圧注入しているので、一般的に塗装することはありません。




























室内床塗装

塗装をはじめる前に、必ず隅々まできれいに掃除機をかけることが肝心です。
今回使用する塗料はウレタン塗料。
塗り方としては、120番のサンドペーパーで下処理をした後再度掃除機をかけてから、シーラー(下地処理剤)を塗ります。
乾燥後、320番のサンドペーパーで処理し、また掃除機をかけ、その後ウレタン塗料をローラーと刷毛で、巾木まで丁寧に2回塗ります。
















































完成です。

今回のミニログの仕様です。
●ログ厚50mm
●床面積=2,900×3,300mm 9.57平米(2.89坪)
●ベランダ床面積=2,900×1,000mm 2.9平米(0.87坪)

セルフビルドの場合の工程目安
●基礎工事=2人×2日
●ログ組み=2人×1日
●野地=2人×1日
●破風鼻隠し=2人×1日
●屋根シングル貼り=2人×1日
●床工事=2人×1.5日
●建具=2人×0.5日
●巾木、廻縁=1人×1日
●外塗装=1人×2日
●床塗装=1人×2日

電動工具はインパクトドライバーと丸ノコを使用。
ミニログづくりは大工やビルダーでなくても、未経験でも建てられます。
でもせっかく建てるなら丈夫で美しい仕上りを目指して、丁寧な作業を心がけてください。
工期は実際には、もっと短縮することもできると思いますが、後でやり直すことは不可能なことも多いので、ミスや漏れのないようじっくり、そして作業を楽しみながらつくると良いと思います。






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