![]() 60,000坪の森林から1〜2本しか見つからない、 200〜400年経過している立ち枯れ材シルバーパインを使用したログハウスです。 長期にわたり厳しい自然環境にさらされ、乾燥しきっているため ログハウス特有のセトリング現象も起こらず 色の変化もなく塗装も不要な、希少な材。 それゆえに価格も高く、材を集めるのも大変らしく 別荘地などでもなかなか目にする機会は少ないかもしれません。 シルバーパインの魅力は何と行ってもこの素材感! 新築なのにすでにアンティークの重厚感。 無垢の木肌、洗いざらしの麻や木綿を好む 日本人の嗜好に合う希有なログハウスともいえます。 縁あって、今回この銀色のログハウスを建てることに。 シルバーパインの魅力、いろいろ勉強になりました。 シルバーパインのログハウスの建築記録です。 ![]() 建設予定地は、古い神社の参道沿いでした。 こういう場所では、着工前に必ず「発掘調査」をしなければなりません。 発掘したところ、「徳川の埋蔵金」…は出てきませんでしたが 数百年前の土器や住居跡、柱型などが出てきました。 これらを市役所に渡し、許可を得てやっと基礎造りです。 発掘調査には10日程度かかりました。 ![]() 建坪約10坪の家なので、半地下を設けて収納スペースにする予定。 湿気対策のためにも、「高基礎」にしました。 費用は通常の基礎よりかかりますが ログの大敵、湿気から守る対策としては必要な施工です。 ![]() 基礎の上にステージを施工し、その上にログを積んでいきます。 そうすることでステージの高さ分、天井を高くすることができます。 今回、ログの搬入までに日数がかかってしまったので、 オーナー自ら養生用に柱と梁を作り、ブルーシートで雨水からステージを守りました。 ![]() 防鼠材を取付け、床下の通気口から鼠や虫などの侵入を防ぎます。 水切板金は、ステージとログの隙間からの雨水の侵入を防ぐ役割をしています。 ![]() 生活排水を濾過してU字構に流す装置のベースを作ります。 2m程度掘ります。 ![]() ![]() フィンランドでの作業。 日本に出荷する前、フィンランドの加工工場では必ずログの仮組などを行い、 確認してから梱包し出荷します。 通常、出荷から40〜50日で搬入されることが多いようです。 やはり北欧はまだまだ遠い国ですね。 ![]() 敷地内に自生していた杉の木を、オーナー自ら伐採、 皮剥き、乾燥させて、ログハウスの柱として蘇らせました。 こういう作業を楽しめるのが、ログハウスならではの喜びといえます。 そして搬入されたログハウスを図面通りに次々と組上げ、棟上完了。 形の揃ったマシンカットと異なり、 ハンドカットならではのログのバラつきを、その都度調整しながらの作業が かなり手間がかかり、大変でした。 ![]() 屋根材の下地を貼り終えたら、養生しておきます。 2階の妻壁を張ります。 防水防湿シートを貼った後、ケロ材(シルバーパインのログ材)を 3センチ厚の幅30〜40センチの縦にカットし、 妻壁に交互に重ねながら縦張りしていきます。 ![]() ![]() 気密性を高めるために断熱材を入れた後、 シルバーの気密シートを室内壁に貼ります。 ![]() タイル貼りといっても、通常の壁に貼るのとは異なり キッチンの装飾として、施しました。 実はこの作業、僕ははじめてなので(普通のタイル貼りならできますが) 本を片手に、ezの手も借りてやっと完成。 ezによると、こういうインテリア関係の 手軽なリフォームやクラフトは女性に大人気、 プロ級の女性もたくさんいるらしく 今や、日曜大工はパパより、ママの方が上手ということも多いらしい…。 ![]() 室内もケロ材で。 浴室はあえて設けず、シャワーブースを設置することにしました。 床には一部を大理石、また地下室の明かり取りとして強化アクリル部分も。 室内から地下収納へは、梯子で降ります。 ![]() グレーの色合いは、通常のログハウスとは趣きが全く異なるので 白木の滑らかな北欧家具より、 アンティークと呼ぶにはまだ若いちょっとジャンクなインテリアに、 良く合いそう。 「昭和」な雰囲気の和風家具とかも和みそうで、いい。 日常がゆっくりと、木の肌に染込むように 数年後、数十年後また訪れたいログハウスが完成しました。
|
welcome to our web site.copyright(c)2005 gaingrove all rights reserved. |